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開発裏話:ゲームを裏から支える技術

開発裏話:ゲームを裏から支える技術

「ジュラシック・ワールド・エボリューション」史上最高のグラフィックとサウンドを備えた作品を創り上げること。それが『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』で私たちが目指したものです。 

本日の「開発裏話」では、私たち Frontier のチームが究極のジュラシック・ワールド ゲーム体験を構築するために用いた、新たな技術と手法の数々を詳しく紹介します。

さらにリアルになったグラフィック

広大なパークの風景から間近で見る恐竜の細部まで、「ジュラシック・ワールド・エボリューション」シリーズはパーク建設を楽しむプレイヤーに最高のグラフィックを提供し続けてきました。

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、シリーズで初めてレイトレーシングによるグローバル イルミネーションが導入されます。この照明技術は、光が環境内でどのように反射するかを計算することにより、影の奥行き感に深みを与え、色の反射を向上させます。要するにレイトレーシングによるグローバル イルミネーションは、よりリアルで自然な照明効果をパーク全体にもたらすのです。

Jurassic World Evolution 3 - Global Illumination

レイトレーシング シャドーへの対応により、影の細部がより精細に表現されるようになった効果は、『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』の随所で見ることができます。地上の小さな恐竜や金網はその好例です。『ジュラシック・ワールド・エボリューション2』では、これらが落とす影はエッジがぼやけていました。しかし『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、影の中の細部、それこそ羽毛の一枚一枚に至るまで、はっきりと識別することが可能です。

スカイボックスは、レベル内の空、地 (水) 平線、遠方の視覚的オブジェクトを生成するための手法ですが、『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、これらに膨大な労力が注がれています。雲は地面に影を落としますし、パークの天候の変化はドラマチックな光景を生み出します。雲そのものも改良され、空の視覚的な多様性を高めるため、体積表現を持つ雲の種類が増えています。

施設も『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では大幅な見直しを受けています。モジュール式施設は、パーク内のあらゆるオブジェクトの建設や編集を可能にするだけでなく、フレキシカラーによって多くのオブジェクト (通路を含む) の色さえ自由に変えられます。また、モジュール式の窓やドアは視差効果を利用し、施設の内部をわずかに見せることで奥行き感を生み出します。特筆すべきは、これらはすべてプレイヤーによるカスタマイズや操作が可能である点です。

モジュール式施設システムにより、多種多様なまったく新しい照明装置の設置も可能となりました。囲いの中に高くそびえる投光照明から、低木の間に配置された装飾灯まで、パークの照らし方は自由自在です。照明はゲーム内の電力管理と完全に連動しており、パークで停電が発生した場合には、一目でトラブルが発生したとわかります!

粒子のエフェクトなどの視覚効果も今作では体積表現を持つものになっており、恐竜や車両が巻き上げた埃を通過した光の散乱表現がよりリアルになっています。またモジュール式施設の照明装置も、視覚効果の光と影を生み出します。

もちろんこのゲームの「主役たち」のことも忘れてはいません。恐竜のモデリングの素材が改良され、肉体の生々しさが向上しているほか、翼の膜のような薄い皮膚もサブサーフェス スキャタリング効果によって質感がよりリアルになっています。

Jurassic World Evolution 3 - Wing membrane lighting

一部の恐竜に深さのある水域での行動や半水生行動を追加したことに伴い、アニメーションのフレームワークを拡張し、特定の恐竜が水の中を歩いたり泳いだりするようにしました。たとえばスピノサウルスは、水深が十分な深さになると自然に水泳形態へ移行しますし、フィーダーから餌となる魚を与えなくても深い水域にいる魚を直接捕らえるといった行動を見せることもあります。

進化するサウンド

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、ゲーム サウンドの面でも多くの改良が施されており、恐竜やパークの音響表現がより詳細になっています。

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』のすべてのサウンドは、重要度に基づいて分類されていますが、ミックスの中心となるのは常にプレイヤーです。たとえば活況を呈しているパークでは、理論上は何千もの音が同時に再生される可能性があります。そのため、プレイヤーが常に適切な情報に基づいて行動できるよう、新技術を用いることにより、雰囲気を高めるための音よりもコミュニケーションに関する音が優先されるようにしてあります。

それには、恐竜が水に入る音や争う音を距離に関係なく優先するといったことも含まれています。また、車両の台数や種類も考慮されるので、パーク内を様々な車両が動き回り、整備や輸送といった仕事に従事する音も、聞き分けが可能です。

主要な登場人物が話す際には、車両の音や音楽、環境音、生物の鳴き声などを抑え、セリフがはっきり聞こえるようにしています。実際、音については常に他の音との関係性を考慮し、同時に再生される際にはそれぞれの音に優先度をつけています。

トランスフォーム駆動フォーリーは、音響チームが採用した新技術で、アニメーションからのデータを用いて移動や羽ばたきなどの音を直接操作することにより、同期の精度を向上させます。この技術は、腕、脚、尾、ひれ、翼などの動きを計算し、そうしたパラメーターをリアルタイムで送信することにより、動物が立てる音の音量やピッチ、さらにはフィルタリングまで制御します。これにより、ゲーム世界での恐竜の動きの存在感が細部までより正確に表現されます。

ゲームでは、音声レイヤーは視覚レイヤーから完全に切り離されており、ゲーム世界に反応しているように感じられるよう、管理する必要があります。『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』に固定された環境は存在せず、プレイヤーは地形や施設をどんどん変更していくことができるため、音もプレイヤーの操作に対して動的に反応させる必要があります。

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、ゲーム内のあらゆる音源からカメラまで見えない線が引かれています。この線が遮られた場合には、建物の裏から聞こえてくるかのように音にフィルターをかけることも可能です。これにより、たとえパークの外観を大幅にカスタマイズしても、音感覚は適切に保たれます。

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』の新たな地形操作ツールは、幅広い操作能力をプレイヤーにもたらし、豊かで緑にあふれた環境を素早く作ることを可能にします。しかし、そこが密林であれ開けた平原であれ、音が正しく聞こえることは絶対に必要です。プレイヤーにとって心強い武器となるこれらの新ツールをバックアップするため、私たちは生態系や環境に合った昆虫や野生動物、鳥類を選び出し、恐竜がまだいない各エリアにさえも命を吹き込みました。

さらなる高速化を目指して

Jurassic World Evolution 3

もちろん、こうしたグラフィックやサウンドの改良だけでなく、『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では快適なゲームプレイを実現するため、安定性の向上とさらなる最適化にも注力しています。

『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』では、テクスチャ用ダイレクト ストレージを採用しており、これによって同じメモリ容量でより多くの高品質テクスチャをストリーミングすることが可能となっています。つまり、追加のメモリ コストなしで、より美麗なテクスチャの表示を実現しているのです。

PC 対応版の『ジュラシック・ワールド・エボリューション3』は、DLSS と FSR3 に対応しており、アルゴリズム駆動型アップスケーリングによって高品質な映像を維持しつつフレームレートを向上させています。また PS5 Pro も PSSR テクノロジーの恩恵を受けられます。


最高のグラフィック、サウンド、プレイ感覚を「ジュラシック・ワールド・エボリューション」体験としてお届けできることを、スタッフ一同心から嬉しく思っています。ぜひともゲームを手に取り、実際にお楽しみください。

「ジュラシック・ワールド・エボリューション3」は PC、PS5、Xbox Series X|S で 2025 年 10 月 21 日発売。ただ今先行予約可能です。